導入事例

生徒たちの多様な学びに
活用できるツール

花園中学高等学校
(京都府京都市)

花園中学高等学校は1872年(明治5)に京都の名刹、妙心寺の宗門子弟の教育機関として創立。禅の精神を教育の根本に置き、ICT教育とグローバル教育を融合。2003年(平成15)にスタートした中高一貫の2コースと高等学校3コースからなり、多様な人材を育成している。

2022年度にジャパンナレッジSchoolを導入。生徒たちの学びにジャパンナレッジSchoolをどう活用するのか? 導入に尽力された中学主任・一貫教育主任で社会科の伏木陽介先生と高等学校で国語を教える木村健吾先生にお話をうかがった。

©Akira Ito

辞書だけでなく新書や学習まんがもある

──数ある学習支援ツールの中でジャパンナレッジSchoolを採用された理由は?

伏木:私はもともと歴史学が専攻だったので、「国史大辞典」がデジタル化(2010年にジャパンナレッジセレクトシリーズで公開)されるのに注目していました。そのときにジャパンナレッジを知りました。本校は探究学習にも盛んに取り組んでいるので、いろいろな点を複合的に考えてジャパンナレッジSchool(以下、JKS)を採用したいと思いました。木村先生と私が中心に様々な先生と連携して導入に向けて動きました。

木村:私は大学時代にジャパンナレッジ(現・ジャパンナレッジLib)を使っていました。以前使っていたものと比べて、JKSは青色ベースのやわらかいデザインで、生徒たちにもとっつきやすいのでは、という印象を受けました。

伏木:まず採用にあたり、2021年度に経済産業省の「EdTech導入補助金2021」を申請させていただき、トライアルを実施しました。ジャパンナレッジを知っている先生はそんなに多くなかったので、職員会議などで積極的に情報提供をしてだんだんと認知度を高めていきました。そして2022年度、正式導入に至りました。

──生徒たちのデバイス環境は?

伏木:本校には、中高一貫では海外の大学を目指すスーパーグローバルZENコースと探究活動に重きを置いたディスカバリーコース、高等学校では特進A、特進B、進学カルティベートという5つのコースがあります。中高一貫では中学課程はiPad、そして高校課程はChromebookを使っています。高校では、以前は特進AコースだけがChromebookを使用していましたが、2022年度の入学生からすべてのコースでChromebookを導入しました。

木村:以前は生徒たちそれぞれで辞書を購入していて、電子辞書を持っている生徒もいれば持っていない生徒もいました。Chromebook導入決定の際、辞書についても検討しよう、ということになりました。電子辞書とJKSを比べてみたら、高校3年間で考えると、JKSのほうが安い。またJKSには、辞書だけでなく新書や学習まんがもある。生徒にとっても授業で使うだけではなくて、たとえば暇つぶしに本でも読んでみようか、というときにも使えます。

使う姿を共有することが利用促進につながる

──JKSの注目コンテンツを教えてください。

伏木:私が所属する社会科では、教材はデジタルの利点を活かし有効に活用しようというムードが高まっています。データなどをテストの作問で生かせる「日本国勢図会」は、デジタルでも広く閲覧可能となり利便性が高まりました。そして「学習まんが 少年少女・日本の歴史」。以前、全巻古本屋で購入して、学級文庫として置いたこともありました。日本史初学者にはぴったりのコンテンツだと思います。

木村「日本古典文学全集」とか「全文全訳古語辞典」の先生の利用率がこのところ上がっています。授業で使おうと思っている先生が増えてきたのではないでしょうか。

──ほかの先生方の反応はいかがですか?

伏木:教職員の中には、木村先生同様、学生時代にジャパンナレッジを使っていて、個人でジャパンナレッジ(Personal)を契約していた方もいました。そういう先生からは学校で使えるからうれしいという反応がありました。また探究学習を受けもつ先生やICTを積極的に授業に取り入れている先生の反応はとてもよかったです。

木村:私が所属する国語科は教職員の平均年齢も高く、また長年作り上げた教材に自信をもっている方も多い。今までのやり方を変える必要はないと思っている人がまだまだ多数派ですね。

伏木:単体の授業で使うというよりは、ホームルームなど担任が絡むもの、探究学習などいろいろな先生が相互に取り組む授業などで、我々がJKSを使っている姿を共有していくことが裾野を広げるには現実的なのかなという気がします。教科横断型の授業ができるJKSの魅力を相互に伝え合うことが、先生方の利用促進につながるのでは、と思っています。

能動的な学習に役立てるためのツールへと育てたい

──JKSをどんな授業で使われていますか? または今後どのような場で使っていきたいですか?

伏木:高等学校の進学カルティベートコースでは、高校1、2年生に向けたリテラシー教育に力を入れています。実際にJKSに触れながら、単にインターネットで“ググる”のではなく、辞書で調べて学習する大切さを伝える工夫を取り入れています。また昨年から学校図書室と情報を共有しておすすめの本をみんなで書評して発表するという、ビブリオバトルのようなこともやっています。昨年は紙の本でやったのですが、今回はJKSに搭載されている本で試してみようかということになっています。

また中高一貫のディスカバリーコースでは「企業ミッション」(最先端の企業からの課題や未来へのアイデアを生徒たちが考えるというプログラム)や、「ゼミ活動」で研究テーマを決めるときにJKSを活用できたらと思っています。スーパーグローバルZENコースでは日本文化を探究するためのフィールドワークによく出かけます。そんなときに持ち運びができるJKSがあれば、より深い知識が得られるのではと期待しています。

木村:私の授業では、教科横断的な要素をより積極的に取り入れていければと思っています。そのときにJKSの一括検索が活かせるのでは、と期待しています。例えば芥川龍之介の『羅生門』を教えるなら、生徒たちには作品により親しむために「日本古典文学全集」を読ませたり、当時の平安京を調べるために「国史大辞典」にあたらせたり。1つの題材に幅をもたせて教えることができるので、JKSのようにいろいろなコンテンツが入っているのは助かりますね。

伏木:現在はJKS本格導入1年目なので、生徒たちが使う頻度をどんどん増やしていくというステージです。いずれ生徒たちにとって単純に調べるというツールから脱却し、自分たちの能動的な学習に役立てるためのツールとしてJKSを育てていけたらと思っています。そのために生徒たちに能動的な学習をどう意識させるか、また我々がJKSを授業の中でどう有機的に使っていけばいいのかを考えるステージに進みたいなと思っています。

伏木陽介先生(中学主任・一貫教育主任・社会科)
国語科の木村健吾先生(国語科)

花園中学高等学校のご紹介

1872年(明治5)に臨済宗妙心寺の宗門子弟の教育機関として創立。建学の精神は「禅のこころ」。「自らをよりよく活かし、生き方を切り拓く力」を育てることを教育の目的としている。2003年(平成15)から中高一貫コースがスタート。禅を土台に海外大学進学を目指す「スーパーグローバルZENコース」、最先端の探究型プログラムが学べる「ディスカバリーコース」の2つのコースからなる。また高等学校には国公立大学を目指す「特進A」、有名私大を目指す「特進B」、4年制私立大学を目指す「進学カルティベート」の3つのコースがある。

URL:https://www.kyoto-hanazono-h.ed.jp/

©Akira Ito

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